Dances with Seals

いろいろなことを書いていきたいと思います

2020-01-01から1年間の記事一覧

青木保『日本文化論の変容』の視点から見る日本劣化のプロセス(5)

1970年代は、「日本文化論」が大衆の流行語にさえなるほど日本に出回った時代である。「タテ社会」「甘えの構造」「間人主義」などのことばがマスコミをにぎわし、日本人や日本文化の「独自性」と「卓越性」を示すものとして使用された。その一方で、外国か…

青木保『日本文化論の変容』の視点から見る日本劣化のプロセス(4)

青木保のいう第三期「肯定的特殊性の認識」の時期は前期と後期に分かれる。 前期は1964年から1976年まで、後期は1977年から1983年までである。 「肯定的特殊性の認識」の時期の前期に書かれた「日本文化論」のうち、前回紹介した中根千枝「日本的社会構造の…

青木保『日本文化論の変容』の視点からみる日本劣化のプロセス (3)

第3期「肯定的特殊性の認識」の時期 前期(1964~1976、昭和39年~51年) 後期(1977~1983、昭和52年~58年) 60年安保をはさんで、経済成長と社会の安定が進み、日本は世界の大国としての道を踏み出すようになり、「日本文化論」にも「現実主義」が前面に…

青木保『日本文化論の変容』の視点からみる日本劣化のプロセス (2)

第2期 「歴史的相対性の認識」の時期(1955~1963)(昭和30年~38年) 前回に引き続き、青木保『「日本文化論」の変容 ―― 戦後日本の文化とアイデンティティ ――』(1990年、中央公論社)を読み進めながら、日本劣化の過程を考えていく。今回の考察対象は、…

青木保『日本文化論の変容』の視点からみる日本劣化のプロセス (1)

「日本文化論」の内容から見た戦後日本の思想史 青木保『「日本文化論」の変容 ―― 戦後日本の文化とアイデンティティ ――』(1990年、中央公論社)は、日本文化論の内容を分析することから見た戦後日本の思想史であり、今日の視点から見ると、とくに1980年代…

初めて投稿する記事

ブログを開設した。 まだ使い方がよく分からない。 設定もまだ十分にできていない。 とりあえずブログの開設だけしておいて、記事はのんびり書いていきたい。 最初に書きたいのは、青木保氏の『日本文化論の変容』という著書である。 だが、いまわたしの手元…